嘉穂東 vs 福大若葉(写真=中倉一志)

 両者、互角にぶつかり合う展開の中で先制点を挙げたのは福大若葉。7分、渡邊陽平がドリブルで持ち込んで左足を一閃。ゴールネットを揺らす。嘉穂東も負けてはいない。16分、淵上紘のクロスに後藤大和が頭で合わせてゴールに流し込んだ。シード校らしく落ち着いてゲームを進める福大若葉。シード校に引けを取らない実力を発揮する嘉穂東。その後も一進一退の展開が続く。

 そんなゲームの流れを変えたのは福大若葉の2点目だった。28分、CKのチャンスに吉住気喬が頭で合わせると、ここから福大若葉が主導権を握る。ボール支配率を高めると、決して攻め急がずにバランスの取れた守備で嘉穂東の攻撃を完全に抑え込んでゲームをコントロール。そして39分には合戸晴矢が強烈なミドルレンジのシュートを叩きこんで3-1。ゲームを手中に収めた。

 その攻撃力は後半も変わらない。一方的にゲームを支配する福大若葉は49分、51分、さらには56分、78分と後半も4得点。大会注目のストライカー合戸晴矢と渡邊陽平の2人がハットトリックを達成する活躍で順当に準々決勝進出を決めた。

 さて、福大若葉の準々決勝の相手は高校総体福岡県代表の九州国際大付総体予選でも準々決勝で対戦しPK戦の末に敗れた相手だ。夏の段階ではパワー、スピード、フィジカルで他校を圧倒する反面、1試合を通してのゲームコントロールに課題も見えた福大若葉だが、この日の試合を観る限り、持ち味はそのままに80分間を通して安定的に戦える力を付けた印象がある。ゲーム巧者で知られる九州国際大付との準々決勝は今大会注目の一戦になりそうだ。

(文・写真=中倉一志)

▽第101回全国高校サッカー選手権福岡予選
第101回全国高校サッカー選手権福岡予選