10月30日、長崎県百花台公園サッカー場で行われた第101回全国高校サッカー選手権長崎予選準々決勝で海星と長崎日大が対戦。ここ数年、「力のある選手が多い」と県内サッカー関係者の多くが評する長崎海星に対し、昨年から県内の主要大会全てでベスト4以上に進出している長崎日大が、1対0で勝利して準決勝進出を達成した。

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　「どんなに泥くさい勝ち方でも構わない。PK戦でも何でもいいから今日は勝ち上がって来い！」。

　試合前に長崎日大の亀田陽司監督は、そう言って選手を送り出したという。そう言ったのには理由がある。「大会前のチーム状態が良くなかったんですよ。練習試合も負けたりして調子もどん底で、チームとしての自信もなくなっていた（長崎日大：亀田陽司監督）」のだ。大会初戦を4対0で勝ち上がったものの、このままでは上位には入れない。その危機感が試合前の言葉につながったのだという。

　試合は一進一退の攻防だった。前線に入った塩塚駿介をターゲットとした攻撃、中盤で起点となる橋本翔生のスキル、川上大翔の縦のフィード。長崎海星の攻めには間違いなく怖さがあった。だが、長崎日大もエースの高嶺史哉と羽佐古琉晴が両サイドを果敢に攻め上がり、打ち合いのような試合展開でも逃げずに戦っていく。

　こういった攻め合うこう着戦は、上手さを評価される一方で、力強さや粘り強さに欠けると言われる長崎日大にとって本来は得意な形ではない。だが、この日の長崎日大は集中を切らさず、ときに泥くさく守り続けた。