杉戸もDF飯田康太を中心に粘り強い守備を見せた(写真=多田哲平)

 岩槻の柏剛史監督は試合前から「緊張してるヤツはいないか」と選手に平常心でいることを促した。ハーフタイムには「リラックスしろ」と声をかけた。そうしたコーチングの効果があったのか、前半を無得点に終えても、選手たちに焦りは見えなかった。

 FW8高橋叶晟(2年)とFW7関根遼也(3年)の2トップは前半から見せていた抜け出しを変わらず続け、MF10大西兼人(3年)が中盤から攻撃をクリエイト。キャプテンのDF6遊佐雄哉(3年)はリベロ的に振る舞いCBの位置から時に前線に飛び出し攻撃に厚みを加えた。

 そして先制機が訪れたのは47分。右サイドから放たれた大西の絶妙クロスに合わせたDF4今井朝登(3年)の強烈なヘディングが炸裂。ボランチ同士の好連係からついにゴールをこじ開けてみせた。

 さらに55分には、レフティMF14冨田幸宏(2年)が巧みなFKをゴール左に流し込み追加点を奪取。蹴るふりをしてボールを通り過ぎる大西のトリックが効いた。

 その後も岩槻は丁寧なゲームコントロールで杉戸に主導権を渡さず、見事に勝利。24日に行われる2回戦へと駒を進め、慶應志木と相まみえることになった。

(文・写真=多田哲平)

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