都立青梅総合のキャプテンDF河江温人は守備陣を支えた(写真=多田哲平)

 67分に後藤のロングスローから高原がシュートを放つもゴール右外に。68分にDF13前田大翔(1年)がGKをかわして絶好機を得るも、そのシュートは左ポストを叩いた。70分には右サイドからの高原のクロスにFW14二口颯空矢(3年)が合わせるが、これも枠を捉えることはできない。いずれも都立青梅総合の最後まで食らいつく魂のディフェンスでミスを誘発させられたのだ。

 それでも焦ることなく相手にペースを渡さなかったのは、キャプテンのMF6松本航輝(3年)がいたからだ。このボランチは素早くピンチの芽を摘み、奪ったボールを前方あるいは左右に的確に散らし、チームに落ち着きとリズムをもたらしていた。

 すると試合終盤の79分、敵陣中央でボールを受けた鎌田が相手に隙が生まれたところを見逃さず右足を一閃。綺麗な弾道のミドルシュートがポスト右に当たりゴールへと吸い込まれた。時間はかかったものの、ついに都立駒場は追加点を手にした。

 そして80+3分には左サイドのクロスからDF2芳原遥人(2年)がゴールネットを揺らし3点目もゲット。終わってみれば都立駒場は3点に差を広げ、見事に勝ち切ってみせた。2回戦では都立小平南と相まみえる。

 一方で最終的には3点差をつけられたものの都立青梅総合の戦いぶりも称賛に値するものだった。DF2朝長光(2年)、DF3吉野竜平(3年)、DF4河江温人(3年)を中心に固い守備ブロックを築き、都立駒場にゴール前で自由を与えなかった。またボールを奪えばMF10榎戸廉(3年)を起点に、長身FW11中嶋壮太郎(1年)をターゲットとしたロングカウンターを繰り出した。後半には時にスムーズなパスワークを披露し、64分のFKではゴール寸前まで迫ってもいる。その執念で好ゲームを演じてみせた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選