東京朝鮮中高級学校 vs 中大杉並(写真=佐藤亮太)

 一方、奪ってカウンター狙いの中大杉並だったが、東京朝高の強い球際、加えて迅速かつ正確なポジショニングでセンターサークル付近で完全封鎖。前につなぎたくても、つなげることができなかった。

 2失点目直後、ようやく波状攻撃を見せたが、長くは続かなかった。中大杉並にとってはワンサイドゲームとなったが、よく4失点で済んだといえる。GK1高橋光(3年)がファインセーブを連発。特にクロス対応、1対1での強さを見せた。さらに4枚の最終ラインの激しくもクリーンな守備が好印象。伸びしろが感じられた。

 勝った東京朝高。試合前のミーティングで姜宗鎭(カン・ジョンジン)監督はこう選手に伝えた。

 「みんなで協力し合ってどこまでできるか。そのなかでいかに楽しくできるか。試合中、苦しい時にひとりで抱えこむのではなく、チームメイトの、ベンチみんなの顔を見て、サポートしあっていこう」

 人数をかけ、奪い、つなぎ、決めた4ゴール。姜監督の言葉通りのゲームとなった。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選