大成もMF中村浩太のゴールで一矢報いた(写真=多田哲平)

 前半で2点のリードを得た多摩大目黒は、後半にやや引き気味となったが、素早いプレスで大成の反撃に対抗し続ける。DF4糸日谷翼(2年)は3バックの中央で巧みにリスクマネジメントをしながら守備陣を支えた。

 最終盤には大成の猛攻を受け、80分に相手MF10中村浩太(3年)にPKを決められて1点を返されたものの、それでも最少失点に抑えてリードを守り切ってみせた。

 多摩大目黒を率いる遠藤雅貴監督は振り返る。

 「意外に落ち着いてやれていましたね。勇気を持ってゴールに向いて、仕掛けるところで仕掛けたり、相手をしっかり見て引き出したり、リズムよく、テンポよくできた。3点目、4点目と仕留めることができれば、もっと余裕を持ってできたと思いますが、冷静にゲームをコントロールできたところに成長を感じました」

 カテゴリーで言えば1つ格上の相手に力勝負で見事に勝ち切った多摩大目黒は、準々決勝で帝京と対戦する。

 もっとも、大成も惜しくも及ばなかったとはいえ、さすがのクオリティを見せた。中村、FW9菱沼遼太(3年)、MF7舟山陽人(2年)の前線3枚が繰り出す攻撃はスピーディかつパワフルで、何度も多摩大目黒ゴールを脅かせば、DF3渡辺誠史(3年)、DF4須崎大輝(3年)、DF6多和田鳳月(3年)の3バックは素早い寄せとカバーリングでピンチの芽を摘んだ。またMF2松本大地(3年)とMF5内田快(3年)の両ウイングバックは精力的にアップダウンを繰り返して攻守に厚みをもたらしていた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
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