正則学園もGK宇野孝弘を中心に堅守を見せた(写真=多田哲平)
ところが、後半に入ると正則学園のハイプレスと力強い速攻に苦しんだ。試合の主導権を明け渡すと50分には、相手MF7塚口凱偉(2年)に約25メートルの鮮烈ミドルを浴びせられて同点に。その後もFW9内山哲平(3年)のスピードや塚口のミドルに手を焼き、ピンチを作られた。
終盤には安部のミドルやMF14菅野湊斗(3年)の飛び出しからゴールに迫るも、いずれも枠を捕らえられず、結局1-1のまま延長戦に突入する。
それでも一度ブレイクを挟んだことが功を奏したのか、東海大高輪台は延長戦になると再び息を吹き返す。延長戦開始からわずか2分、ゴール前でパスを受けたFW9古川拓海(3年)が渾身の一撃を決め込みついに勝ち越し。ゴール右隅を射止める技ありシュートだった。
その後は正則学園にピンチを作らせずに2-1で勝ち切り。準決勝へと駒を進めた。次戦では実践学園と相まみえる。
かたや惜しくも敗れたとはいえ、正則学園が見せた戦いぶりは称賛に値するものだった。とりわけ流れを掴んだ後半の40分間は個々が躍動。1トップのウガンバト・テムレンはフィジカルとスピードを利して豪快な突破と抜け出しを度々披露し、MF8佐藤瑠斗(2年)は素早い寄せで相手から自由を奪った。80+6分には敵陣を抜け出した内山がビッグチャンスも作っている。その他、GK1宇野孝弘(3年)は冷静なシュートストップと的確なコーチングで守備を締め、MF6徳田龍翔(3年)は中盤の底で運動量豊富に働いた。
(文・写真=多田哲平)
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選