FW齊藤慈斗は帝京の攻撃を牽引した(写真=多田哲平)

 それでも勝負強さを見せつけたのはビハインドで迎えた後半だ。

 落ち着きを取り戻した帝京のテンポの良い攻撃を凌ぎながら、力強いカウンターを仕掛けていく。右サイドFW11八瀬尾太郎(3年)の飛び出しや左サイドFW9中山織斗(3年)のドリブルは迫力十分で、なにより中心となった10番でキャプテンの塩貝の存在感は抜群だった。塩貝はパワフルなキープと鋭い抜け出しで相手の脅威になった。

 ゲームを振り出しに戻したのも、その塩貝だった。速攻からCKを獲得すると、MF13保土原海翔(2年)が放ったキックの流れから、こぼれ球を決め込んだ。チームに再び勢いを生む貴重な同点ゴールだった。

 そして63分、再び塩貝を起点に相手のブロックを崩すと、最後はペナルティエリアでフリーになったMF8高橋作和(3年)が冷静にゴールネットを揺らし、勝ち越しに成功。國學院久我山らしい素早く小気味良い崩しからの得点だった。

 それから終盤には帝京に反撃を受けるも、後半アディショナルタイムに相手MF11山下凜(3年)のシュートやMF18田中遥稀(3年)の渾身のミドルを、DF4鷹取駿也(3年)やDF3普久原陽平(2年)、GK1石崎大登(3年)ら守備陣が体を張ってブロックし、最後まで追加点を許さずに勝ち切ってみせた。

【次のページ】 Aブロック準決勝 帝京 vs 國學院久我山(4)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選