成立学園はMF八木玲を中心にテンポの良いパスワークを貫いた(写真=多田哲平)

 それでも、1点ビハインドで迎えた後半に成立学園は怒涛の反撃を見せる。戦い方は変わらない。積み上げてきた緩急を活かしたパスワークで打開を試みていった。

 42分にMF6横地亮太(2年)が、54分には8武田悠吾(3年)が、さらに57分と59分にも立て続けにチャンスを作り、リトリートして守る東京実業ゴールを襲っていく。

 ジワリジワリと圧力をかけていくと、62分にそれが奏功する。敵陣でボールを受けたMF7陣田成琉(3年)からのスルーパスから右サイドを鋭く抜け出した佐藤がGKをかわしてゴールネットを揺らしてみせた。

 待望の同点ゴールを奪い、成立学園はなおも東京実業ゴールに迫った。アンカーのMF10八木玲(3年)を中心としてボールを握り続け、相手を押し込んでいく。

 そして決勝ゴールが生まれたのは終盤の80+1分だ。八木が放った左CKからゴール前の混戦になると、途中出場のFW23平原健吉(2年)が押し込んで、土壇場で逆転に成功する。

 それからほどなくしてタイムアップのホイッスル。強引にゴール前に放り込んでいれば東京実業の粘り強い堅牢を打ち崩すことはできなかったかもしれない。テンポの良いパスで相手を揺さぶり、一瞬で穴を突く。そんなスタイルを貫いたからこそ得られた2ゴールだった。

【次のページ】 Bブロック準決勝 東京実業 vs 成立学園(4)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選