MF渡辺弦は再三鋭い突破を見せてチャンスメイク(写真=矢島公彦)

 後半に入ってもゲームを支配したのは成立学園だった。DF3大川拓海(3年)、瀧川のSBも含めて後方から組み立て、守ってはDF4藤井利之(3年)と佐藤の2CBとGK1鈴木健太郎(3年)が、途中まで安定感を見せていた。

 3点目を奪ったのは後半が始まって早々の44分。橫地からパスを受けた左サイドの渡辺がダイレクトでゴールを撃ち抜いた。

 ところが、リードをさらに広げて勝負を決めたかに思えた成立学園だったが、その後、津工の怒涛の反撃を受けることになる。

 61分に左サイド(津工の右サイド)からMF6山副朱生(3年)にクロスを上げられると、中央でMF9増山万太(3年)に合わせられて1点を返される。

 さらに73分には小気味良いパスワークからFW10庄司壮晴(3年)に抜け出され、クロスを許し、途中出場のMF24鳴川幸輝(2年)に豪快なヘディングを叩き込まれて1点差に詰め寄られた。

 嫌なムードが漂うなか、それでも成立学園は同点弾までは与えず、3-2で逃げ切りに成功。開幕戦という大舞台の重圧に負けず、見事に勝ち切った。成立学園の山本健二監督は以下のように振り返る。

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▽第101回全国高校サッカー選手権
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