FW伊藤風河(17番)は値千金の勝ち越しゴールを決めた(写真=多田哲平)

 均衡を破ったのは後半に入ってからの55分だ。CKのこぼれ球をペナルティエリア外で拾った篠田がDF1人をかわして左足を一閃。強烈なミドルシュートをゴール右上に叩き込んで、先制点を奪ってみせた。

 ところが61分、一瞬の隙を突かれて同点ゴールを決められる。ペナルティエリアをMF13瀧谷陽斗(3年)に崩されると、最後はMF8鵜戸瑛士(2年)に押し込まれた。

 これで流れが変わった。勢いづいた近江にダイナミックな攻撃を受ける時間が増加するのだ。さらに前半は溌剌と仕掛けていた荒井も警戒を強められたこともあって、目立たなくなった。

 それでもDF4津久井佳祐(3年)とDF5石川穂高(3年)のCBコンビを中心に相手の攻撃をはね返していくと、74分に勝ち越し点が生まれる。決めたのは、65分から途中出場していたFW17伊藤風河(3年)だった。篠田からパスを受けた伊藤は、DFのマークを振り切り右足で渾身の一発を叩き込む。

 ジョーカーのゴールで勝ち越した昌平はその後、うまく時間を進めながら近江の反撃をいなしていく。

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