神村学園が山梨学院に土壇場で勝ち越し!エース福田師王は1得点

神村学園のエース福田師王は1得点

 FW福田師王(3年/ボルシアMG入団決定)、MF大迫塁(3年/セレッソ大阪入団内定)を擁する神村学園が苦しみながらも3回戦進出を決めた。

 体調不良で有村圭一郎監督が不在となった選手権の初戦。神村学園は立ち上がりから相手の勢いに押されてしまう。4分には左サイドをFW野田駿人(3年)に崩され、ゴール前に走り込んできたMF五十嵐真翔(2年)に頭で決められて失点。エンジンが掛かる前に先手を取られ、苦しい展開となった。だが、ここからチームは大迫とMF笠置潤(3年)のダブルボランチコンビを中心に軌道修正を図る。

 「初っ端の一発で目が覚めた」(大迫)。相手のプレスに苦しんでなかなかボールを運べなかったが、大迫と笠置が気の利いたポジションを取りながらゲームをコントロール。二人が横に並んでパスを散らすだけではなく、大迫が前、笠置が後ろに構える位置取りで相手のマークをうまく外していく。

 すると、大迫が自由にボールを受けるシーンが増加。13分には大迫が浮き球で絶妙なスルーパスを相手DFの裏に通し、福田が持ち込んでシュートを放つ。徐々にゴールに迫る回数を増やしていくと、22分に左サイドハーフのMF下川温大(2年)を下げてFW名和田我空(1年)を投入。U-16日本代表歴を持つ有望株の投入で攻撃のリズムが上がり、とりわけ左サイドの攻撃が活性化する。

FW西丸道人が土壇場で勝ち越しゴール

 「意図的に中央に入ってプレーした」という名和田が左サイドから中に入ると、U-16日本代表の左SB吉永夢希(2年)が積極的に攻撃へ参加。前に出るスペースが生まれると、よりスムーズに攻撃が機能して攻撃に厚みが出た。

 すると、36分だ。高い位置でボールを奪うと、大迫がペナルティエリア内に侵入。福田に折り返したボールが繋がらなかったが、セカンドボールに反応した笠置が豪快に蹴り込んで同点に追い付いた。ハーフウェイラインを超えたあたりで福田が受けると、相手DFを弾き飛ばしてターンに成功。前を向くと、広大なスペースを一気に駆け上がり、ゴール前に侵入していく。最後はGKとの1対1を冷静に制してネットを揺らした。

 僅か3分で試合をひっくり返した神村学園は後半に入っても主導権を握り、山梨学院ゴールに迫っていく。大迫と福田のホットラインも機能し、積極的に3点目を狙った。しかし、67分に山梨学院の左SB庄司優作(3年)が投じたロングスローに対し、DF中島大誠(3年)がペナルティエリア内で相手を倒してしまう。このPKをMF宮岡拓海(3年)に決められてしまい、試合を振り出しに戻された。

 なんとか巻き返したい神村学園だが、74分に大迫が足の痙攣で交代を余儀なくされる。監督不在に加え、キャプテンまで交代。苦しい状況に陥るが、79分に下級生コンビが躍動する。FKの流れからこぼれ球を拾った名和田が左サイドからDFとGKの間にクロスを入れる。すると、GKの前に飛び込んだFW西丸道人(2年)が頭で決め、土壇場で勝ち越しに成功した。

 その後はなんとか凌いでリードを守り切った神村学園は初戦となった2回戦を制し、3回戦で日大藤沢と対戦することが決まった。

(文=松尾祐希)

▽第101回全国高校サッカー選手権
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