GK西星哉は値千金のPKセーブでチームを勝利に導いた(写真=多田哲平)

 後半に入っても大津の集中力は切れなかった。MF8大久保帆人(3年)やMF9小池直矢(3年)ら前橋育英の突破力が光るサイドハーフにDF3坂本翼(3年)とDF12田辺幸久(2年)が粘り強く対応し続けた。

 とはいえ、夏のインターハイ王者である前橋育英の流動的な攻撃に手を焼き、決定機を作られる場面も少なくなかった。55分には自陣で小池にボールを奪われ、FW15山本颯太(3年)のシュートにつなげられている。

 流れが変わったのは、前橋育英に退場者が出た58分からだ。数的優位を活かしてゴールを狙っていく。68分には右サイドのMF7岩崎大翔(3年)のクロスから山下が惜しいヘディングを見舞った。それでも、これは相手GK1雨野颯真(2年)のファインセーブで止められる。

 結局、前後半の80分では決着がつかず、PK戦へ突入する。

 PK戦で活躍したのがGK1西星哉(3年)だった。卒業論文でPK戦に関して研究したという守護神が相手の1本目のキックをストップ。そしてキッカーは5人全員が決めて、見事に大津が接戦を制した。

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