青森山田 vs 神村学園(写真=矢島公彦)

 追い掛ける展開を強いられた神村学園だが、気落ちした様子は見られない。「プレミアの参入戦から、劣勢のゲームでも粘り強くやる所が出てきている。今までの積み上げてきた物が、少しずつ成果として出てきているのかなと感じています」と口にするのは、栢野裕一監督代行だ。これまでの試合同様、後半に入ると攻撃の切り札である10番MF名我田我空を中盤の左に入れて、攻撃のギアを入れていく。

 「我空はボールを失わないので、信じて走ったらボールが来ると意識していました」。16番DF吉永夢希の言葉通り、サイドからの仕掛けは増えたが、追加点を狙い続けた青森山田の攻撃を受ける場面も続く。後半15分には左サイドでのスローインを受けた小湊が遠目からゴールを狙ったが、シュートは枠の左に逸れた。直後にも小泉の跳ね返しを受けた小湊が入ったばかりの19番MF櫻井廉とのワンツーでゴール前を抜けてフリーでシュートを打ったが、大きく枠の外に終わった。ピンチを乗り切った神村学園は、このリスタートを大迫塁が受けると左足で一気に相手エリアへ。13番FW福田師王が競ると、こぼれ球を拾った12番FW西丸道人がドリブルでゴール前まで持ち込み、左足で同点ゴールを叩き込んだ。

 「劣勢になっても神村は強いし、1点獲れたら一気に点数も入る」と大迫が口にする通り、同点ゴールによって神村学園は勢いに乗る。19分には小湊のポストプレーから中山にゴール前へと持ち込まれたが、1番GK広川豪琉が足でストップ。こぼれ球を拾った大迫が粘り強く、自陣右CKから前に出すと、8番MF高橋修斗が相手エリアに入れた。受けた西丸は再び中央をドリブルで突破。一旦、名和田に預けたボールを西丸がゴール前で貰い直し、左足でシュートを放った。このボールは相手DFに阻まれたが、こぼれ球を福田が押し込み、逆転に成功した。

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▽第101回全国高校サッカー選手権
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