神村学園のFW福田師王は1ゴール(写真=矢島公彦)

 そしてPK戦に持ち込むと、後攻の神村学園が1本外したのに加え、GK12平塚仁(2年)が相手エース福田のキックをストップ。キッカー4人が成功した岡山学芸館がトータル4-1でPK戦を制して、同校史上初の決勝進出を果たした。9日の決勝では東山(京都)と対戦する。

 高原良明監督は「神村学園さんはタレントも多いし、持たれる時間が長くなるのは想定内だった。ただ守備のところでできるだけコンパクトな状態でボールを拾って、ボールを奪ったらどんどん相手ゴールに進入して、バイタルでのプレーを増やそうと話した。積み上げてきたものをしっかり表現しようと。内容では神村さんのほうがボール保持率が高かったと思うんですけど、素晴らしい勝ち方をしてくれた」と選手を称えた。

 一方で、神村学園初出場の2006年度大会ぶりに4強入りしながらも決勝を前に大会を去ることになった。しかし4試合すべてで先制されながらもそれをはね返して国立まで勝ち上がったその戦いぶりは見事だった。

 この岡山学芸館戦でも、その”反発力”を見せつけた。特に3点に絡む活躍を見せた大迫、類まれなポテンシャルを見せつけた福田という”二枚看板”はさすがの存在感を発揮。またGK1広川豪琉(3年)、中江、DF3大川翔(3年)の守備の要人も3失点したとはいえ体を張って働いた。

 有村圭一郎監督は「3年生の頑張りは我々の想像を越えるもので、その姿を見た1、2年生、また入ってくる中学生が、新たなことを成し遂げてくれるんじゃないかなという期待をしています」と3年生に感謝を示し、今後のさらなる躍進を誓った。

(文=多田哲平、写真=矢島公彦)

▽第101回全国高校サッカー選手権
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