東山のMF松橋啓太(右)は値千金の同点ゴール(写真=多田哲平)

 後半に入ると、大津の細かいパスワークを苦しみながらも、DF4新谷陸斗(3年)とDF3志津正剛(2年)のCBコンビ、GK1佐藤瑞起(3年)を中心とした守備陣が奮闘し、ギリギリでゴールを割らせない。

 次第に右のDF2石井亜錬(3年)、左のDF6仲里勇真(3年)という両SBが攻撃に絡む回数が増加。すると63分、仲里が蹴った右CKの流れからMF8松橋啓太(3年)が巧みなタッチで相手をかわして見事なシュートを突き刺した。

 ついに同点とした東山はその後、出足の早い寄せで大津の攻撃を遮断。73分にはCKでDF8碇明日麻(2年)にヘディングを浴びせられ、83分にはカウンターからMF7岩崎大翔(3年)にミドルシュートを打たれるが、いずれもGK佐藤のファインセーブで乗り切った。

 1-1のまま突入したPK戦でまばゆい輝きを放ったのも、守護神・佐藤だった。日体大柏とのPK戦でも好セーブを見せた佐藤はこの日も、相手の2本目を横っ飛びで止めると、4本目もストップ。そして佐藤のセーブで勢いを得た東山のキッカーは、4人全員が成功。見事に4-2でPK戦を制し、ファイナル出場を決めた。

【次のページ】 準決勝 東山 vs 大津(3)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権