ゴール前の競り合い(写真=藤原裕久)

 創成館も篠原太希のフィードを起点に、溝口寛晴・小野山慶陸がサイドに飛び出して反撃を狙っていくが、長崎総科大附は京谷來夢・山口海翔を中心に守り、奪ったボールを素早くサイドへと展開。徹底してサイドを使った仕掛けで攻めていくと、後半29分に宇土尊琉が左からクロスを入れ、こぼれたところを原田真之介が決めて2-0。

 さらに33分にも左サイドから甲斐が送ったクロスを福島文輝が狙いすましたヘディングで押し込み3-0。アディショナルタイムにも左サイドからボールを持ち込んだボールがこぼれたところを金城琉煕が押し込みダメ押しの4点目。そのまま無失点で試合を終え、優勝候補同士の一戦を4-0で完勝した。

 「今年のチームは悪いときは本当に良くない。今日はそれが出てしまった」試合後、創成館の久留貴昭監督はそう言って唇を噛んだ。一方、長崎総科大附の定方監督は「固さはあったが後半は良くなった。まだ経験値が足りない」と試合を振り返った。勝った長崎総科大附は明日の準決勝で、準々決勝を大勝で勝ち上がった県北の新鋭、九州文化学園と対戦。定方監督は「相手がどこであろうと、今持っているもので戦っていきたい」とコメント。そして、その後の会話で選手権の話題に及び「今年は選手権に行きたいですね」と声をかけると「いや、行きます!」と力強い笑みで返答し、その表情に覇権奪回へ思いをみなぎらせていた。

(文・写真=藤原裕久)

▽令和4年度長崎新人戦(新人選手権大会)
令和4年度長崎新人戦(新人選手権大会)