長崎日大 vs 三重(写真=多田哲平)

 後半に逆転の原動力となったのもエースの郭原だった。

 後半開始直後の33分、ペナルティエリア右へ抜け出してスルーパスを引き出した郭原は、そのままゴール左に冷静に流し込んで同点ゴールを決める。

 さらに三重は長崎日大にはその後ボールを持たれながらも、ボールを奪えば丁寧かつスムーズな攻撃でゴールに迫っていった。DF4海野翔真(新3年)とMF13黒柳栄登(新2年)の2ボランチは気の利いたポジショニングで相手のパスコースを遮断しつつ、小気味良い配球で攻撃の起点にもなった。

 すると49分、右サイドを打開すると、ゴール前に上がっていた海野がマウスの左に決め込み勝ち越し点をゲット。さらに55分には、ペナルティエリア右に飛び出した郭原が冷静にGKの位置を見てゴール右を撃ち抜き、三重はリードを3点とした。

 その後は余裕をもって試合を進め、見事に勝ち切り。前日に2連勝だった長崎日大に取って代わり三重が首位に躍り出た。

 三重を率いる德地俊彦監督は「前半、長崎日大さんは4トップ気味で前への推進力が凄かったので、ハーフタイムにそこを消そうと話しました。後半は意図をもって守備をしたことで、意図した攻撃ができるようになった」と逆転の要因を話し、「郭原に続くように他の選手たちも調子を上げてくれた。集中を切らさず、1点にこだわってやってくれた」と選手たちを労った。

 かたや惜しくも敗れた長崎日大も、その攻撃には迫力があった。右のMF19山口翔(新3年)と左のMF20山口丞介(新2年)の両ウイングバックが高い位置を取りながら仕掛けるサイドアタックは分厚く、また樋渡とFW23斉藤玄阜(新3年)のシャドーをリンクマンとしたパスワークもテンポが良かった。

(文・写真=多田哲平)

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