FC東京U-18 vs 尚志(写真=佐藤亮太)

 後半は余勢を駆った尚志のゴールラッシュとなった。53分、直接フリーキックからDF4市川和弥がヘッド。相手選手のこぼれ球に網代が右足でふり抜き2点目。65分にはカウンターから右サイドMF10若林来希のクロスに中央MF14藤川壮史のヘディングシュートで3点目。さらに72分、CKのチャンス。キッカー藤川の放ったボールをFW12笹生悠太が頭で合わせ4点目。試合は4-0で尚志が完封勝利をおさめた。

 一方、敗れたFC東京U-18は2分1敗と未勝利。メンバーが揃わないなか、ボールを持ちながら攻めこみ、相手陣内に迫った。特に後半残り15分間は押し込んだものの、あと一歩足りず守り切られた。攻めているのに決めきれず、シュート数はわずか3本にとどまった。

 「いつも通り、教えたことをピッチで出せればそれだけで良い。相手は関係ないですし、特に意識もしていません。だからこちらも構えません。練習のアップも試合前のアップも一緒のハートで」と勝因に平常心を挙げた尚志の小室雅弘コーチ。

 試合を見れば、尚志が効率よくセットプレーで得点を重ねたようには見える。しかし、その状況を作る要因になったのは、練習で積み上げているであろう攻守の粘っこさ。人数をかけ相手からからめとれば、即攻撃に転換。小柄の選手が多いなか敏捷性と機動力で対抗。前線の選手は簡単には倒れず、味方の援護を待つ。さらに前線からの守備が実に利いていた。その粘っこさを生み出す運動量は毎週木曜日の練習後に行われる走り込みで培われている。

 

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