FC東京U-18 vs 尚志(写真=佐藤亮太)

 セットプレーでは平均身長はFC東京U‐18より約4センチ低いものの、ポジショニングの良さが光り、見事な完勝となった。なかでも目を引いたのは1G1Aを含め、3得点に絡んだ藤川。高い精度のキックを買われ、今季はセットプレーからの得点を増やすべくトレーニングを積んでおり、その成果が出た。またチーム3点目のヘディングゴールは「人生で2度目」というレアケースとなった。4-0の完勝に「驚いてます」としたうえで「でもなにが起こるかわからないのがサッカー。慢心することなくやっていきたい」と気を引き締めた。

 これは小室コーチも同じ。「そう簡単にはやられないと思いましたが、あんなうまくセットプレーでとれるとは思わなかった」とニヤリ。一方「(勝つと)どうしても勘違いしてしまう。まだ強くない。発展途上。自信と過信は紙一重。謙虚にいこうと伝えました」とじゅうぶん浸透しているようだ。

 プレミアリーグ3度目の挑戦の尚志。3試合が終わり、2勝1分・勝点「7」。さらに3試合連続無失点中と好調だ。攻守における粘り強さ。これを示す小室コーチの言葉がある。

 「選手に伝えているのは未来をつくるのはボールをはさむところから始まるということ。そこをおろそかにすると相手に良い未来ができる。未来を変えなければならない。そのためには球際が大事」

 すべてはそこから始まる。

 (文・写真=佐藤亮太)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2023 EAST
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