横浜F・マリノスユースの白須健斗は突破力を発揮(写真=多田哲平)

 その後、試合は一進一退。市立船橋はGK1ギマラエス・ニコラス(2年)の好セーブなどで横浜ユースの攻撃を凌いでいたが、追加点はなかなか奪えない。終了間際に郡司が決定的なチャンスを迎えるも、これは相手GK1福井大次郎(2年)に阻まれた。

 しかし同点で終わるかと思われた90+1分、太田が蹴り入れた右CKから佐藤が渾身のヘディング弾を叩き込みゴールネットを揺らす。市立船橋は土壇場で勝ち越しに成功し、今季4勝目を挙げた。これで勝ち点18となり4位に浮上した。

 市立船橋の波多秀吾監督は「マリノスさんの技術と戦術はさすがでした。なんとか耐えて少ないチャンスで点を取れたのが大きかったですね」と安堵。「インターハイ予選前は勝ちきれずに引き分けで終わる試合が多かった。でも勝ちきれるようになってきたのは成長」と手応えを語った。

 一方で横浜ユースにとっては悔しい敗戦。ショックから試合後はピッチに倒れ込む選手が少なくなかった。それでも個々の技術の高さを示した。白須は持ち前の突破力を活かして攻撃を引っ張り、DF4畑野優真(3年)と埜口のCBは郡司のドリブルに苦戦しながらも粘り強さを発揮。ボランチのMF8桑原颯太(3年)は攻守に幅広く働いた。

(文・写真=多田哲平)

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