前橋育英 vs 青森山田(写真=松尾祐希)

 1点ビハインドで迎えたハーフタイム。選手たちが険しい表情を見せていたが、正木昌宣監督から喝が入る。

 「相手がゴール前で3人連続してスライディングで止めた場面があったけど、なんでお前らはやらないんだよ。なんであっさりゴール決められているの?」

 この言葉で選手たちは蘇った。押し込まれるシーンはあったが、ペナルティエリア内では伝統のゴールを隠す守備をしつつ、シュートを打たれても身体を張って止める。決定機を作られても粘り強く戦い、青森山田らしさを見せつけた。

 徐々にペースを掴んで相手を飲み込んでいくと、67分だ。相手のチャンスを凌いだ直後に右CKを獲得。MF芝田玲(3年)がボールを入れ、中央に走り込んできた小泉が頭で合わせて同点に追い付く。これで一気に流れを引き寄せると、選手たちのテンションはさらに上がる。

 3連続でシュートを掻き出して青森山田らしい守備を披露。終盤になっても運動量は落ちず、強度の高い守備から攻撃を繰り出してチャンスを生み出す。すると、77分だ。右SB小林拓斗(3年)のクロスにファーサイドで左サイドハーフの川原良介(3年)が反応。ヘディングで逆サイドネットに決め、最終盤に試合をひっくり返した。

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