健大高崎のMF渡辺聡馬が果敢に仕掛ければ、帝京のDF梅木怜は堅実な守備を見せた(写真=多田哲平)

 これで帝京が余裕を得たかに思えたが、しかし、60分以降は運動量が武器の健大高崎が本領を発揮し始める。

 後半から強くなってきた追い風に乗るように、アグレッシブなプレッシングでボールを奪還し、スピーディなアタックで帝京を押し込んでいく。

 すると74分、右サイドでボールを持ったMF15田中千景(2年)のクロスを萩原がダイレクトで合わせて、健大高崎が1点を返す。

 さらに78分、帝京ディフェンスラインの裏に抜けたボールに反応したFW9中澤慶次(3年)が渾身の一発を突き刺す。勢いに乗った健大高崎がついに同点とした。

 その後も互いにチャンスを作りながらも双方譲らず、2-2で試合終了。追いつかれた帝京にとっては、どちらかと言えばもったいなさが残る結果となった。

 一方で粘り強く追いついた健大高崎は自信のつく引き分けに。篠原利彦監督は「プラン的には後半の運動量が落ちる時間までゼロでいきたかったんですが、帝京さんのは2本ともすごく上手いゴールでした」と相手のゴールを称賛しつつ、「今年はチームの成長度合が高いので、最後のきつい時間帯にチャンスがあるはずだからそこが勝負だと話をしていた。それが上手くいった」と振り返った。

(文・写真=多田哲平)

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