C大阪U-18サポーターの横断幕(写真=会田健司)

 後半に入ると、一気にゲームが動き出す。島岡健太監督に「無駄なタッチが多い」と指摘されたC大阪U-18イレブンの球離れが速くなり、MF木實快斗(2年)を軸に攻撃が活性化。同時に前線からの守備もハマり出し、次々と興國ゴールに襲い掛かる。

 すると迎えた61分、ボックス内左でボールを受けたエレハクが左足を一閃。このシュートがゴール右上隅に突き刺ささる。目の覚めるようなエレハクのゴラッソが、C大阪U-18に貴重な追加点をもたらした。

 その後も興國のビルドアップに対し、強烈なプレスでボール奪取をし続けたC大阪U-18が試合の主導権を握る。興國も途中から右サイドに入ったMF19河合健吾(3年)がドリブルで積極的な仕掛けをみせると、逆サイドからのクロスにもゴール前に飛び込む。しかし河合のヘディングシュートがポストに嫌われると、その後もゴールをこじ開けることは出来ずにタイムアップ。

 2-0で勝利を収めたC大阪U-18が連敗のトンネルから脱出に成功した。

 見事なゴラッソを決めたエレハクは「負けたら学校を歩けなくなるところだった」と試合後に胸を撫で下ろした。実はC大阪U-18の選手たちの半数ほどが興國高校に通っている。興國のコーチが担任を受け持つクラスの選手もいる。この一戦は同じ学校に通う選手同士の負けられない戦いでもあった。

 さらに、六車監督が昨年までセレッソ大阪アカデミーに在籍していたことや、FW11千葉大舞(3年)も古巣との対戦だったこともあり、試合後にはC大阪U-18サポーターから、巣立っていった彼らの「成功を祈っている!」との横断幕も掲げられエールが送られた。

 (文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 関西1部
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