佐賀東 vs 飯塚(写真=森田将義)

 後半に入ると、「物が違う」と中辻監督が評するルーキーのFW18新垣類(1年)を投入。スピードに乗った仕掛けで、更に佐賀東のDF陣をかき回す。13分には左を抜けた新垣のパスから、久保がシュートも枠の外。26分にはDF2深川恭伍(3年)のフィードから、ゴール前に出た久保がボレーを狙ったが、仲里に阻まれた。

 なかなか1点は生まれなかったが、流れは悪くない。「今日は給水があったので、後半の給水後が勝負だぞと言っていた。ジャブを打っておいて、最後はセットプレーかミドルシュートなのかなというイメージだった」(中辻監督)。指揮官の読み通り。43分には佐賀東のゴール前でFKを獲得。MF10溝口敢大(3年)のキックはGKに阻まれたが、こぼれ球を原が逃さず、押し込み勝負あり。注目カードは1-0で飯塚に軍配が上がった。

 飯塚は昨年、選手権に初出場。「選手権を経験して、意識が上がりました。全国と県では雰囲気が違うし、試合スピードも全く違う。新チームになってからは全国でも上位に行けるよう練習からスピードをチームとして意識している」と原は振り返る。初めてのプリンスリーグに上がる今年は、これまで以上に高くなる。日々の刺激を全国大会での躍進に繋げていくつもりだ。

 佐賀東も敗れはしたが、可能性の高さを感じさせる好チーム。プリンスリーグで揉まれれば、より良いチームに成長する予感が漂う。「自分たちがプリンスリーグで戦えているのは大きいし、とても良いこと。先輩達が残してくれた物のためにも、自分たち3年生ができることと言えば、1部に昇格するしかない。リーグ戦から全国レベルで戦えていると、総体や選手権に出てもやれるはず」。そう口にするのは宮川だ。ともに開幕戦で得た課題と収穫を力に変えられるか期待したい。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2023 九州2部
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2023 九州2部