市立浦和の大河内陽友は多彩なプレースキックでゴールに迫った(写真=多田哲平)
そして52分、ロングスローの流れからゴール前の混戦を生むと、こぼれ球に反応した福島がゴールネットを揺らす。福島は久々に先発に抜擢されたこの試合でハットトリックの大活躍を見せた。
福島の追加点でリードを広げた成徳深谷はそのまま3-1で勝ち切り、2回戦を突破。ベスト8進出を決め、正智深谷との準々決勝に臨むことになった。
為谷洋介監督は試合後、「難しいゲームでした。再開後、相手は背水の陣で来るだろうから、その勢いをモロに受けるとバタバタしてしまう。だから割り切って相手コートでプレーしようと伝えました」とプランを明かす。
また「選手たちはウォーミングアップで気持ちが先行しているように見えたので、試合前に笑いを加えて少しリラックスさせました。スタッフで心理的なコントロールはしたつもりです」とアクシデントへの対応を振り返った。
一方で市立浦和も敗れはしたが、最後までアグレッシブな姿勢を貫いた。前線のターゲットとなっていたFW10田中悠真(2年)が中断前に負傷して途中交代となったのは痛かったが、代わって入ったMF11横井葵(2年)は精力的に前線を走り回った。また大川内のプレースキックは多彩かつ強烈で相手の脅威となり、DF4金澤太路(3年)はカバーリングで奮闘。GK1武田輝(3年)は最後まで「折れたら終わるぞ」とチームを鼓舞し続けた。
(文・写真=多田哲平)
▽令和5年度関東高校サッカー大会埼玉予選
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