埼玉平成、武蔵越生を下し2戦連続無失点でベスト8

埼玉平成イレブン(写真=河野正)

 令和5年関東高校サッカー大会埼玉予選は4月16日に2回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。本大会(5月27~29日・東京)には、4月30日の決勝に進んだ2校が出場する。プレミアリーグ参戦中の昌平、プリンスリーグ関東所属の西武台は出場していない。

 新人大会西部支部予選ベスト4の埼玉平成は、昨年の関東大会予選4強で、2月の新人大会で準優勝した武蔵越生を1-0で破った。22日の準々決勝で花咲徳栄と対戦する。

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 埼玉平成は最初に獲得した右CKから先制した。前半6分、MF中島昴大(3年)が鋭い弾道のボールを送ると、183センチの長身CB清水聖那(3年)が鮮やかなヘディングシュートをゴール右に突き刺した。

埼玉平成 vs 武蔵越生(写真=河野正)

 17分には中島がゴール左23メートル付近のFKを直接狙い、バーをわずかにかすめる惜しい一撃だったが、前半のシュートは2本だけで加点する好機は少なかった。

 先手を取られた武蔵越生は、ボランチの森大地(3年)を経由してから質の高いサイドアタックを展開。9分にFKのこぼれ球を打ったCB鈴木彪真(3年)のシュートは左に外れ、25分のFW大沢楽(3年)のヘッドは相手GKにセーブされた。36分、快足FW石本徠喜(3年)が左から絶品のクロスを配給したが、ゴール前で合わせる選手がいなかった。1分後にも相手DFのクリアボールから森が決定的な一撃を放ったが、枠を捕らえられず、前半だけで12本のシュートを記録しながら、追い付けなかった。

 埼玉平成は後半開始からFW小林昴(3年)を投入し、11分にMF佐藤快琉(2年)、15分にはFW伊藤楓斗(3年)を送り込み、前線の3人を一新して追加点を狙った。大久保夢牙(3年)と中島の両ボランチが、好パスとドリブルで攻撃を組み立てて敵陣深くに進入したものの、最終パスの精度にも欠いてビッグチャンスは1度だけ。30分に鋭いカウンターから伊藤が抜け出したが、枠外シュートとなって絶好機を逃した。

埼玉平成 vs 武蔵越生(写真=河野正)

 武蔵越生は後半も7本のシュートを放ち、19分にMF岸田琉誠(3年)の蹴った左FKを鈴木がヘッドで合わせたが、左に外れて無得点。思わぬ初戦敗退を喫した井上精二監督は、「あれだけセットプレーがあったのに得点できないのは大きな課題。うちは先制されると、そのままズルズル負けてしまう傾向がある。改善しないといけませんね」とインターハイ予選での巻き返しを誓った。

 埼玉平成は4-0で快勝した大宮東との1回戦に続いての無失点でベスト8進出。浦田尚希監督が体調を崩しているため、指導陣に加わって9年目の三島伸也コーチが陣頭指揮を執った。「相手は初戦でうちは連戦、体力的にも精神的にも少し不利な状況かと予測しましたが、安定した守備から前向きな戦いをしてくれた」と最後まで集中力を堅持したイレブンを褒めた。身近な目標となる戦力の上積みについては、「後ろからボールを運んで仕掛けられる自力を付けたいですね」と述べた。

 目の覚めるような決勝点を奪った主将の清水は、「ゴールはうれしいが、守備陣としては2試合続けて無失点で勝てたことも大きな収穫です。チームはすべての大会でベスト8が最高成績なので、次も勝ってこの壁を乗り越えたい」と準々決勝に思いをはせた。      

(文・写真=河野正)

▽令和5年関東高校サッカー大会埼玉予選
令和5年関東高校サッカー大会埼玉予選