実践学園のFW松田昊輝は一矢報いた(写真=多田哲平)

 幸先よく先手を奪った修徳だったが、その後は一進一退の攻防が続きながらも、実践学園のスピーディでテクニカルな攻撃でチャンスを作られていく。

 ただし押し込まれても、ンワディケを起点にしてカウンターに切り替えられるのが今年の修徳の強み。48分、右サイドに落ちたロングフィードに反応して敵陣深くに抜け出したンワディケがゴールに流し込んでみせる。嫌な空気を断ち切る値千金の追加点だった。

 さらに51分に与えたPKは、GK1小森獅音(3年)が足をつりながらはじき出すビッグセーブ。FW11松田昊輝(3年)とFW9小嵐理翔(3年)の鋭い抜け出しや右サイドハーフのMF8関根宏斗(3年)の突破力を活かした実践学園の攻撃を強烈で、69分に関根のドリブルから崩されて最後は松田に押し込まれたが、それでも最少失点に抑えて2-1で勝利。

 激戦を競り勝った修徳が第1代表の座を獲得し、各都県の優勝チームが参加する関東大会Aグループに出場することになった。

 今大会はプリンスリーグ勢の帝京國學院久我山は参加していないが、それでも価値ある”東京制覇”だ。修徳中から修徳高の指揮官に就いた吉田拓也監督にとって、手塩にかけて育てた最初の代がひとつの成果を出したとあって感慨深さもひとしお。

 「小1から知っている子も多くて弟みたいな感じ。だから僕らは選手たちの個人昇格が第一優先なんです。ただ進路を見つけるために『良いプレーをしようぜ』と言えば、最終的にチームは勝てる。結局好まれる選手は勝利のために必要なものを持っているから。そうやってウチは強くなっていく」

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▽令和5年度関東高校サッカー大会東京予選
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