神戸弘陵のMF北藤朔は非凡なテクニックを見せつけた(写真=多田哲平)

 すると68分には敵陣中央でボールを持った米谷が弾丸ミドルを叩き込み追加点。青森山田はこれで余裕を得た。

 試合終盤の70+2分には相手のスムーズな連係から北藤にゴールを許して1点を返されたものの、その後も受け身になることはなく攻撃の姿勢を貫き、70+9分のラストプレーで、途中出場のFW17三浦陽(2年)が加点。3-1で勝ち切った青森山田は初戦を突破し、國學院久我山(東京)が待つ2回戦へと駒を進めた。

 青森山田を率いる正木昌宣監督は「7月9日から公式戦がなかったので前半は特にゲーム感覚がまだ戻っていない感じがしました。クーリングブレイクにやることを整理して、そこからはやるべきことをやれた。失点しないで勝ちたかったが、最後まで勇気を持って攻めていけたので、そこは次につながる」と振り返る。また「インターハイは時間が短いですので、クーリングブレイクを待つのではなく常にピッチで改善できないと」と課題を口にした。

 一方で神戸弘陵は個々の技術では引けを取っていなかった。北藤や佐波のテクニックはハイレベルで密集地帯をものともせずにゴールに迫った。またFW9馬場悠平(3年)のポストワーク、CB岡の対人守備、GK1石橋亮斗(3年)のセービング技術も素晴らしかった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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