明秀日立のMF柴田健成は2得点の活躍(写真=会田健司)

 ボールを奪えば司令塔のMF7吉田裕哉(3年)を起点に攻撃を組み立て、左のMF13益子峻輔(3年)と右のMF16柴田健成(2年)というサイドハーフの突破力を活かして崩しにかかる。最前線ではFW9熊﨑瑛太(3年)が体を張り、そのすぐ後ろからFW11石橋鞘(3年)が相手の隙をうかがう。右のDF8長谷川幸蔵(3年)と左のDF14阿部巧実(2年)は果敢に攻め上がり、攻撃に厚みを加えた。

 先制点は11分。長谷川がペナルティエリア右をえぐってクロスを上げると、ゴール前で柴田が滑り込みながら合わせてネットを揺らす。明秀日立は幸先よくリードを奪った。

 さらに、その後も出足の早いプレスで相手の攻撃を遮断していきつつ、ダイナミックに攻め立てる。19分には右サイドのクロスから追加点。ゴール前で熊﨑が潰れてこぼれたボールに柴田がいち早く反応して2点目をゲット。明秀日立がリードを広げた。

 ところが、そこから桐光学園に意地を見せつけられる。31分にMF10松田悠世(3年)が蹴ったFKからFW9宮下拓弥(3年)にヘディング弾を許して1点を返されると、後半は劣勢に立たされる。

 桐光学園のテンポの速いパスワークに翻弄され、さらに今大会6試合目ということもあって、スタミナの消耗が顕著に表れてくる。しかも桐光学園は準決勝での負傷により先発から外れていたMF11齋藤俊輔(3年)を途中投入し、そのドリブルを活かしてさらに攻勢を強めてきた。明秀日立は出足が一歩遅れがちで、ボールを奪ってからもなかなかボールが前線につかず、局面を前に進められない。

 すると51分、ゴール前でボールを受けた相手MF10松田悠世(3年)にペナルティエリアに進入されると、鋭いシュートを撃ち込まれ同点弾を献上。ついにゲームを振り出しに戻された。

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