惜しくも4強入りを逃した柏南(写真=小室功)

 習志野に追加点を与えず、辛抱強く戦った柏南が得意のセットプレーから追いついたのは、後半23分だった。大柄の選手が揃うだけに、相手ゴール近くでのFKやCKを得るたびに気勢が上がっていたが、それが見事に結実する。右CKのチャンスから歓喜の同点ゴールにつなげたのはMF小野颯太(3年)だった。

 ボールをテンポよく動かし、地上戦を得意とする習志野。空中戦に活路を見出す柏南。後半の終了まで残り17分プラス、アディショナルタイムという状況のなか、どちらが勝ってもおかしくない。そんな様相を呈していたが、次のラウンドに進むために必要な決勝弾を引き寄せたのは習志野だった。

 振り出しに戻されてから10分後に訪れた右CKのチャンス。左利きのキッカー、DF木村流也(3年)がゴール前に送り込んだ精度の高いボールをきっかけにDF吉野翔(3年)が値千金の一発を決めた。

 この日、金子大助監督に代わって指揮を執った菊池功二部長は次のように激戦を総括する。

 「ひとつも気の抜けない試合でしたが、日ごろから積み重ねてきたことを落ち着いて発揮できました。決勝点につながったCKはまさに練習の成果です。球際でのちょっとした反応など、修正点がありましたが、苦しいなかでも勝ちきったことが何より大きいです」

 関東大会出場に向け、古豪・習志野がまた一歩前進した。

(文・写真=小室功)

▽令和5年度関東高校サッカー大会千葉県予選
令和5年度関東高校サッカー大会千葉県予選