相生学院 vs 滝川第二(写真=森田将義)

 1-0で迎えた後半は互いに暑さによって運動量が落ちたのもあり、オープンな展開となった。先に仕掛けたのは滝川第二。後半5分にはMF14三宅蔵ノ助(2年)のパスから、MF山本宗汰(3年)がクロス。ゴール前で待ち構えたFW9村松風亜(2年)がヘディングシュートを決めて、追いついた。以降は一進一退の展開が続いたが、33分には角山のパスを高い位置で受けた髙本が振り向きざまにシュート。このボールは絶妙なコースを突いたが、クロスバーに阻まれ、1-1のまま延長戦に突入した。

 延長戦に入ってからは両者足を吊る選手が続出する死闘となった。延長前半6分には滝川第二のチャンス。山本のスルーパスから、FW空久保善(1年)がゴール前を抜け出したが、シュートはGK木村匠斗(3年)が触ってCKに。以降も両者、見せ場を作ったが、試合は動かず、PK戦へと突入した。

 ここで輝いたのは相生学院のGK17釜田統生(2年)。木村も安定したセービングを披露していたが、PK戦突入寸前で上船監督は釜田の投入を決断。その理由についてこう話す。「木村を信頼していないわけではない。彼でも勝てると思うけど、応援を含めたチームみんなで勝ちたかった。なので、釜田には準備するよう試合前から言っていた。お前は絶対、使うからって」。出番に向けて万全の準備を進めていた釜田は読みを的中させ、滝川第二の1本目をきっちりセーブ。5人のキッカーも全員が成功し、相生学院が1-1(PK5-3)で勝利した。

 (文・写真=森田将義)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選
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