帝京長岡の谷口哲朗総監督(左)と古沢徹監督(右)

 そこで好セーブを見せたのが帝京長岡の守護神、GK小林脩晃(2年)。日本文理5番手のキックを左に飛んで弾いた。「文理の試合は動画で見て、自分なりに研究しました。うまく反応できました」。その後、帝京長岡は5番手のFW河角昇磨(3年)がしっかりと沈め、激戦に終止符を打った。

 この日、スポットライトを浴びた帝京長岡の小林は中学3年時、東京U-15むさしの正GKとしてクラブユース選手権U-15大会に出場。準決勝、決勝と続いたPK戦で好守を連発し優勝に貢献。大会MVPに輝いていた。「緊張はしなかった。あの時の経験が活きました」。5番手キッカーを務めた河角はFC東京U-15むさしの先輩。自らセーブしたボールを手渡す際には「頼みます」と思いを託していた。「この予選を通して守備も向上した。全国では0(失点)が続かないと勝ち上がれない。いい準備を進める」と勝って兜の緒を締めた。

 2大会連続7度目のインターハイを決めた帝京長岡。谷口哲朗総監督は「PKは見てられなかったが、小林なら1本は止めてくれると思っていた」と笑ったが、すでに気持ちは切り替わっている。この日は攻から守、守から攻への切り替えで上回り、相手のシュートは4本に抑えたが、21本のシュートを放ちながらも無得点に終わったことを修正点に挙げた。「気持ちを乗せてゴールに向かう部分。点を取るという執念が足りなかった。1、2回だけ勝って終わらないよう、自分たちから仕掛けたい」と話した。

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選