スタンドに駆け寄る市立船橋イレブン(写真=松尾祐希)

 後半に入っても、ダブルボランチの一角を務めるキャプテンのMF太田隼剛(3年)を中心に中盤で激しい攻防を繰り広げる。前半終了間際に投入されたMF峯野倖(2年)も太田とともに中盤の底で奮戦。ふたりでセカンドボールを回収し、自分たちの時間を増やしていく。すると、67分に太田が3列目からゴール前に上がり、久保原にラストパスを供給。これを冷静に決め、リードを再び2点とした。

 これで相手の気持ちを折ったかに思えたが、ここから流経大柏の猛攻に晒される。185cmのCB塩川桜道(3年)を最前線に上げるパワープレーに手を焼き、77分には右サイドを破られて塩川にゴールを決められてしまう。

 勢いは完全に流経大柏。残された時間をいかに凌ぐかだったが、ここから市立船橋はうまく時間を使いながら、時計の針を進めていく。ヒヤリとする場面もあったが、最後までリードを守り切り、本大会の出場権を手にした。

 試合後、波多監督は選手たちの頑張りを労った。

 「想像を超えるスピード感と強度があってかなり苦しんだけど、よく耐えてくれた」。闘志剥き出しで迫ってくるライバルに対し、キャプテンの太田を中心に耐えて掴んだ全国舞台の出場権。2016年度以来の優勝を目指し、北海道の地に乗り込む。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選