日大鶴ヶ丘のMF櫻井蓮は果敢なドリブルでPKを獲得(写真=志水麗鑑)

 後半も立ち上がりにリズムを掴んだのは日大鶴ヶ丘だ。細かくパスをつないでポゼッション率を高め、じわりじわりと攻め込んでいく。

 劣勢に立たされた暁星は51分に反撃。右サイドを切り崩したFW23小松大喜(3年)がクロスを上げ、FW10井上慎平(2年)へつなぐと、最後は走りこんだDF5関本恒大(3年)が詰める。しかし、シュートは相手GKに阻まれた。

 ピンチを凌いだ日大鶴ヶ丘は57分、左サイドから高速ドリブルを仕掛けたMF8櫻井蓮(3年)が相手DFのファールを誘いPKを獲得。これをMF7高橋勇気(3年)が冷静に沈め、勝ち越しゴールをマークした。

 後半アディショナルタイムに日大鶴ヶ丘は、暁星の猛攻を受けてDF関本に得点を許したが、直後にFW10蔵田悠(3年)が劇的ゴール。ドラマチックな幕切れで見事に3-2と競り勝った。

 T3リーグ(東京3部)に所属する暁星を相手に、地区トップリーグ(東京5部相当)に所属する日大鶴ヶ丘が勝利。谷幸一朗監督は「所属リーグがふたつ上の相手でも、選手たちが絶対に勝てると思って戦った自信が勝因」と述べ、格上との一戦で奮闘した選手たちを称えた。

 確かに日大鶴ヶ丘は特に後半、自慢のポゼッションサッカーでゲームの主導権を掌握。反撃を食らっても守備陣が身体を張り、攻撃に転じればボールを握る試合運びは秀逸だった。終盤に失点しながらも攻めて勝ち切る執念も天晴れ。「今日の試合と同じように、次戦も自信を持って戦う」(谷監督)と胸を張るチームが、一致団結して1次トーナメントのブロック決勝に挑む。

(文・写真=志水麗鑑)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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