帝京のMF樋口晴磨は鋭いドリブルを披露(写真=多田哲平)

 後半は帝京にボールを持たれながらも、DF4大坂颯汰(3年)とDF5鎌田真碧(3年)のCBコンビを中心に堅守を構築してゴールへと迫らせない。

 すると66分に追加点が生まれる。MF10外山朔也(3年)が入れたFKのこぼれ球に合わせてMF7佐藤蓮(3年)の右足を振り抜くと、そのシュートの軌道を鎌田が頭で変えてゴールに突き刺した。成立学園は2点のリードを広げた。

 そのまま成立学園は最後まで高強度の守備を徹底し、帝京の攻撃をシャットアウト。2-0で制し、4強へ名乗りを上げた。

 成立学園の山本健二監督は「サイドアタッカーが仕掛けてくると思っていたので、SBが怖がらずに高い位置を取れたのが良かった」と振り返る。

 「やられるのは覚悟して、とにかく迷うな、相手に走り負けるな」という強気な姿勢が実った勝利だった。

 準決勝では全国切符を賭けて実践学園と対戦。山本監督は「まず勝負にこだわる。一人ひとりがメンタル的に強くなるためにも勝ちにいきたい」と意気込んだ。

 一方の帝京は攻撃の形をなかなか作れずに敗れたものの、能力の高さは垣間見せた。37分から途中出場したMF17樋口晴磨(3年)は積極果敢な仕掛けで攻撃を活性化。FC今治内定のFW10横山夢樹(3年)も回数こそ少なかったが、キレのあるドリブルから際どいシュートを放ち、同じくFC今治内定のDF5梅木怜(3年)は対人の強さを発揮した。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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