PK戦に臨む両校(写真=田中紘夢)

 後半も一進一退の攻防が続いたが、松商学園は上田西のハイプレスをうまくいなしていく。流れの中からチャンスを演じつつ、65分にはCKでトルメンタを発動。今井天志朗のヘッドはGK牧野にキャッチされる。70分には森田優聖のシュートがバーを直撃するなど、攻め立てながらも追加点に恵まれず。試合は延長線に突入した。

 ここまではエースの出川を抑え込まれていた上田西だが、延長前半に一瞬の隙を突く。78分、井上のロングフィードを出川が収め、途中出場の高橋亮雅が右サイドを抜け出す。GKとの1対1を冷静に沈めて勝ち越した。

 これで決着がついたかと思われたが、松商学園も最後まで諦めない。88分、小林千路のロングスローから混戦が生まれると、松永裕哉が値千金の同点ヘッドを突き刺す。そのままPK戦に突入すると、2人が失敗した上田西に対し、松商学園は4人全員が成功した。

 昨年は県選手権決勝で松本国際に敗れ、涙を飲んだ松商学園。それ以来となる主要トーナメントで決勝に進み、高山監督は「去年の3年生が残してくれたものがあるからこそ、今回の延長戦でこうやって追いついて勝てた。去年の3年生に感謝したい」と笑みを浮かべた。4日に行われる決勝では、10年ぶり15回目の全国出場を懸けて市立長野と戦う。

(文・写真=田中紘夢)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長野予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長野予選