武蔵越生のMF黒沢佑樹はキレのあるドリブルを披露した(写真=多田哲平)

 すると67分に待望の先制点が生まれる。左サイドからボールを受けたボランチのMF24平野琉斗(1年)が豪快なミドルシュートをゴール右上に突き刺した。レギュラーのMF宮里丞(3年)に代わって先発に抜擢されたルーキーが、その期待にきっちりと結果で応えてみせた。

 その後は武蔵越生のカウンターをGK1前島拓実(3年)を中心に凌ぎ切り、1-0で勝利。勝ち点を16としてリーグ前期を終えた。

 武南の内野慎一郎監督は「トーナメントとリーグを両立する難しさを改めて感じています。関東の時もインハイも決勝のあとはやはり気持ちの切り替えが難しかった」とリーグ前期を振り返る。インハイ前最後の公式戦を怪我人が出ているなかで勝ち切った点は「粘り強く頑張った」と称えるが、それでも『これではまだダメだ』とさらなる奮起を促したという。

 一方で惜しくも敗れた武蔵越生も健闘。FW28石本來喜(3年)とFW26オビエゼ泰賀チゴセ(2年)の2トップを先頭としたプレッシングは相手の脅威となり、FW16黒沢佑樹(3年)のキレのあるドリブルも効いていた。

(文・写真=多田哲平)