柏井 vs 検見川(写真=佐藤亮太)
それにしてもよく後半、5分間で逆転できた。実は前半の検見川のチャンスは、31分にFW志摩が放ったシュートくらいで、それ以外はほぼ好機を作れなかった。しかも先に失点を喫していた。なのにイレブンは慌てた様子は微塵もなく、落ち着きはらっていた。逆に余裕さえ感じられた。
理由のひとつに失点直後、イレブン全員が集まったことにある。
MF10髙山は「風もあったので、あのゴールは事故みたいなもの。気にすることはないってみんなで話した」し、さらに「ビハンドで折り返すと、どうしても簡単に前へ蹴りがちになる。だからこそ、いつも通りのサッカーをしようと意識した」と焦れずに、意思統一できプレーを全うできた。
またキャプテンマークを巻いたDF4菅家は「相手FWはパワーと速さがあり、怖かったが、焦らず、まずは1失点で抑えて、後半、ペースを握れたとき、2点決められたのは大きい」と決めるときに決められたことを要因にあげた。
検見川はこれまでもこうした逆転劇はいくつもあったそうで、そうした経験値が今回、モノをいった。
「ベンチから選手の成長を感じた」と検見川・山本直輝監督は「ハーフタイムの選手たちの表情をみて、やってくれるという感じがあった。ピッチに入れば、みずからの考える選手が、特に、いまの代の選手は多い。選手の力を信じたていた」と語った。
たしかに山本監督、ベンチからの指示が少なかったことから選手に対する信頼の厚さがうかがえる。
「年間、通して、力はついている」と手応えを語る山本監督だった。
(文・写真=佐藤亮太)
▽第102回全国高校サッカー選手権千葉予選
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