川越南 vs 松伏(写真=河野正)

 川越南は後半6分に倉岡が2点目を蹴り込んでリードを広げると、12人(GK2人)しか帯同していない松伏を圧倒。12分に主将のDF池田明夢(3年)が、豪胆な攻撃参加から強烈な右足シュートをお見舞いすれば、17分には日野の決定打をGKがセーブし、そのこぼれ球をMF花井楽翔(3年)が打ったが、枠を捕らえられなかった。キック力が正確なら、後半に3点は奪えていたほど、良質な崩しの形を何度も作った。

 久津間岳文監督は、「この1週間は集中的にシュートとラストパスの練習を積んできたのですが、精度が足りませんでした」と苦笑いしながらも「トーナメント初戦や支部リーグで勝てない状況なので不安もありましたが、最後まで集中して戦ってくれた」とイレブンを褒めた。

 西部支部リーグ2部は直近まで1勝3分け5敗で、インターハイは支部予選初戦で敗退していただけに、チームにとってはうれしい勝ち星となった。

 同監督は昨年度まで飯能南で7年指導したが、新年度から学校が飯能と統合したことにより異動。川越南は2005年の第84回全国高校選手権埼玉予選で4強入りしたほか、ベスト8にも3度入る強豪だったが、近年は長らく低迷期が続いている。

 池田は「うちには飛び抜けた選手はいませんが、全員で助け合って戦うのが持ち味」と話すと、「監督には後ろからしっかりパスをつなぐやり方を教わっている。頑張ってまたチームを強くしたい」と主将らしい言葉で締めくくった。

 久津間監督も「うちは元々ポテンシャルが高い学校なので、もっとできると思う。次の浦和北は強いが、みんなの力を合わせて食らい付いていきたい」と言葉に力を込めた。

(文・写真=河野正)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選