国際学院 vs 聖望学園(写真=河野正)

 国際学院はFW大家颯太郎(3年)のロングスローなどからも好機を築き、後半アディショナルタイムにはFW竹内蓮太朗(3年)が絶好の一撃を放ったが、GK望月健冴(2年)のビッグセーブに阻止された。

 1-1のまま延長に入り、国際学院は前半30秒にFW園川拓海(3年)が、聖望学園は後半7分にDF吉岡洸晟(2年)がともにフリーで狙ったが、いずれもわずかに右へそれていった。

 延長の20分でも決着がつかず、10人ずつ蹴り合ったPK戦へと突入。GK望月が先蹴りの国際学院のシュートを3本ストップし、2人が失敗していた聖望学園は10人目のMF橋本翔希(3年)が左隅に流し込み8-7で制した。

 山本昌輝監督はいつもにも増して喜んだ。「2年前にこのピッチで負けた思いがいまだ忘れられず、何とか借りを返そうと思っていました」と顔をほころばせ、「先制された後、うまく気持ちを切り替えてくれたのが大きい」と下を向かずに挑み続けたイレブンを褒めた。

 2回戦の相手は前回ベスト4で、同じS1リーグの浦和学院。山本監督は「年間を通じて一番成長できる大会がこの選手権。今日の苦しい戦いを乗り越えたのは大きい」と次戦に向け手応えをつかんだようだ。

 この日のヒーローは、PK戦で3本弾き飛ばし、試合の中でも絶体絶命のピンチを防いだGK望月だ。

 敗れはしたが市立浦和との高校総体予選1回戦で望月は、PK戦に入る前に交代出場し、1本セーブしている。「日頃からPKの練習をしているので自信はありましたが、3つもストップできるとは思いませんでした。うれしい」と破顔一笑。キッカーとしても6人目に登場して成功させたが、「蹴る前にいきなり指名されたのでびっくりしました」と笑い、相手のキッカーには「どっちに蹴るの?」「緊張してる?」などと話し掛けて集中力をそぐそうだ。

 2年生守護神は「次はPK戦でなく、80分で気持ち良く勝ちたい」と次戦を見やった。

(文・写真=河野正)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選