東京成徳大深谷 vs 西武台(写真=河野正)

 2年生が6人先発した西武台は2点先取したことで勢いづき、厳しい守備を継続して後半に入っても主導権を渡さなかった。

 22分に竹内のシュートが左ポストに弾かれ、3点目を逃したと思ったら1分後に3点目が入った。左SB治部田元太(3年)のシュートのこぼれ球を拾ったCB谷口輝(2年)が、ゴール左隅に流し込んで試合を決定づけた。それでも西武台は攻撃の手を緩めず、30分には竹内から大塚を経由した縦パスをFW遠藤秀悟(2年)が、巧みなターンから鋭い弾道の一撃を決めて勝負をつけた。

 東京成徳大深谷は4分にMF稲積俊音(2年)、8分に左CKからMF福島雪翔(2年)が狙ったが、最後までゴールを割れなかった。

 9月30日のプリンスリーグ関東2部、矢板中央Bとの第14節から右SBに抜てきされた西村は、「成徳が相手なので攻撃よりも守備、特に対人で負けないことを意識した。前後半とも立ち上がりに集中し、チームのために体を張って守りました」と無失点勝利を喜んだ。攻撃的なポジションを担当したいのが本音だが、SBに転向して3試合目で新境地を開拓したようでもある。

 容易ならぬ難敵との初戦をものにした守屋監督は、「1点差かPK戦も想定していたので、4-0は予想外。インターハイ予選が終わってから縦パスの精度が上がりました」と話したが、4得点よりも無失点に封じた守備の方がうれしそうだ。「西村と治部田の両サイドバックが守りに徹し、二人の2年生センターバックを3年生がリードしてくれた」と、にこやかな表情で褒めたたえた。

 両校の直近の対戦は5年前の第97回大会3回戦で、この時は東京成徳大深谷がPK戦で勝った。1-1から突入した延長前半に東京成徳大深谷が勝ち越し点を決めたが、試合終了直前に西武台が同点ゴール。PK戦は東京成徳大深谷のGKが1本止めて決着した。

(文・写真=河野正)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選