武南 vs 市立浦和(写真=河野正)
直後の34分、武南は三城の完ぺきな左クロスを戸上が頭で合わせ、3点目を奪って勝負をつけた。
2年ぶりの4強進出に内野慎一郎監督は、「S1リーグ後期開幕戦で4失点して負けたのでやり返すしかないと思った。平常心を持ってじれずに戦えた。ドリブル、ランニング、切り替えの練習を十分に積んできた成果が出てきた」と快勝を手放しで喜んだ。
近年の武南はなかなか結果を出せず、選手権予選では優勝から16年遠ざかり、決勝進出も11年ない。指揮官は「以前のチームなら今日の試合は(2-1にされて)負けていたと思う。パスばかりにこだわっていたが、今はいろんな要素を取り入れて進化している」と今年のチームに自信を持ち、「準決勝もチャレンジしながら戦いたい」と意気込みを示した。
2アシストした三城は昨年12月に左中足骨を骨折し、完治したら左手首骨折。復帰したのが今年5月半ばだった。それまではボランチの控えだったが、9月に左SBに抜てきされ、今大会3回戦でデビューした。「先発は緊張しなかったけど、スタジアムでの試合は初めてなのでビビって前半は硬くなりました。でも少しずつ慣れて、後半はいい形でアシストできた。準決勝も勝利に貢献したい」と笑みを見せた。
惜しくも敗れ、9年ぶりの4強入りを逃した市立浦和のOBでもある大野監督は「2点目が痛かった」と顔をしかめたが、「大河内を入れてからボールが動くようになった。1、2年生が7人先発したので、来年はこの悔しさを晴らしてくれると思う」と新チームの奮起に期待した。
(文・写真=河野正)
▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選