終わってみれば国見の快勝ではあるが、決定機の数で言えば互角だった。その中で大きく明暗を分けたのがセットプレーだろう。昨年は国見の大きな武器となっていたセットプレーだが、今年は昨年ほどの精度を欠いていた。その中で2年生キッカーの門崎が成長し、平田という勝負強い選手がいたことで難敵の日大を破ることができた。

 対する日大はボールのつなぎ、仕掛け、連動性は高かったが、セットプレーで止まったボールを得点に結び付けるという点において一歩劣ってしまった。しかし、監督就任1年目で県新人戦優勝、県高総体準優勝、県選手権予選ベスト4の成績を残した坂本信行監督の手腕は見事だった。来年以降の活躍に期待したい。

 勝った国見は2年連続での決勝進出。インターハイ全国ベスト4で優勝を有力視される国見だが、木藤監督は「インターハイはもう終わったこと」と語り楽観ムードを戒める。

 「インターハイが終わってから、うまくいっていたわけじゃないですからね。県リーグで勝てないこともあったので、子どもたちもチャレンジャーのつもりできたと思うし、僕もそのつもりですから」

 勝って兜の緒を締めるの言葉どおり、全国で勝ってなおチャレンジャーとして国見は来週の決勝戦へと挑む。

(文・写真=藤原裕久)

▽第102回全国高校サッカー選手権長崎予選
第102回全国高校サッカー選手権長崎予選