迎えた後半も一進一退の攻防が繰り返されたが、互いにゴールを奪えずこう着状態へと陥った。その中で先に千載一遇のチャンスを得たのは綾羽。56分にゴール前へと抜け出したDF野々村鷹人が星稜GK高橋謙太郎と1対1を迎える。しかし、これは間合いをしっかり詰めた守護神が足でストップ。「あの1対1の瞬間は高橋の見せ場だなと思った。止めるだろうと思ったし、相手が正面から入ってくればほぼあいつは止めてくれる」と指揮官も賛辞を送った。これで命拾いをした星稜は、試合終了間際の68分に好機を獲得する。ゴール前で混戦から窪田の足下にボールがこぼれると、これを豪快に左足で蹴り込んで決勝弾。星稜が名門校らしい勝負強さで2回戦へと勝ち上がった。
試合後に河﨑監督は「この勝利はうちにとって大きいよね。次は札幌大谷だけど、シード校で(1回戦を戦っていない)。大谷は良いチームだけど、2試合目が一番身体が動くのかなと自分は思う」と2回戦への意気込みを語っていた。
(文・写真 松尾祐希)