試合風景

Bチームから大会前に這い上が鹿島学園・水野(15番)は値千金の先制弾を決めた

鹿島学園、2戦連続でPK戦を制す

 昨日の試合で熊本国府をPK戦で下し、2回戦へと勝ち上がってきた鹿島学園。対するは初出場ながら四国屈指の強豪校である徳島市立を4−1で破った聖望学園。対照的な勝ち上がりの両者だったが、試合の展開は最後の最後まで目が離せない展開となった。

 鹿島学園は1回戦同様に4−4−2のシステムで出陣。スピードと決定力に長けた最前線のFW上田綺世を起点に、攻勢を仕掛ける展開を目論んだ。しかし、聖望学園が4−3−3の布陣を敷いてきたこともあり、サイドで頻繁に数的優位を作られてしまう。次第に中盤での攻防に競り負けるようになると、ゴール前でシュートを放つことすら出来なくなった。それでも、先手を取る当たりは全国大会の常連校。前半終了間際の35分にFW中野大飛がネットを揺らし、前半を最高の形で終えることに成功した。

 前半の得点で勢いに乗りたい鹿島学園だったが、後半に入っても試合の主導権を掴むまでに至らない。そればかりか44分にCKの流れから一瞬の隙を突かれ、聖望学園のDF中林良太にネットを揺らされてしまう。この失点で息を吹き返されてしまうと、鹿島学園は焦りの色が濃くなりゴール前へと侵入することが出来なくなった。すると、62分に聖望学園がロングボールからチャンスを構築する。最後にMF高橋龍也がシュートを放ち、鹿島学園DFがゴールライン上でクリアを図るも判定はゴールイン。これで試合をひっくり返され、万事休すかと思われたが、アディショナルタイムに突入して迎えたラストプレー。右サイドをFW橋口凜樹 が駆け上がると、ボールはファーサイドで待ち構えていた上田のところへ。「他は仕事をしなかったけど、最後だけという感じでしたけど笑」(鈴木雅人監督)というエースは迷わず右足を一閃。ボールは右サイドネットに突き刺さり、鹿島学園は土壇場で勝負の行方をPK戦へと持ち込んだ。そして、このPKを6人目全員が決めきり、3回戦進出を手中に収めた。

【次のページ】 紙一重のところを経験したことは大きい