ビハインドを背負い、攻勢を仕掛ける必要性が出た昌平は、後半の頭からMF星野蒼馬を右サイドハーフに投入。その位置に入っていた山下優希をボランチに下げ、針谷を攻撃に専念させる布陣を敷いた。これによって、昌平の攻撃の流れは一変。針谷を起点にゴール前にボールを運べるようになり、フィニッシュへと持ち込む場面が大幅に増えた。しかし、そこで大きく崩れないのが市立船橋。67分に迎えたピンチも、昌平・星野に対して身体を寄せ切ってシュートを枠に飛ばさせない。最後まで危なげなく守り切った市立船橋は2年連続で決勝への進出が決定。「1つ1つ自分たちで整理をして、自立し始めたところもある。そう意味ではこっちがあんまり言わなくても、彼らが積み上げた経験値の中で判断しながらできている。ちょっと、こっちが一言言えば出来てしまう強さがある」と朝岡隆蔵監督が確かな手応えを感じているチームは、2日の決勝で同じく千葉県代表の流通経済大柏と覇権を争う。
(文 松尾祐希)