これで攻めるしかなくなった流通経済大柏は、後半開始から反撃を開始する。特にチャンスになったのはゴール前でのセットプレーだった。2年生10番のMF菊地泰智の左足から幾度となく、好機を作り出しあわやという場面を演出。しかし、ゴール前で決定力を欠き、ゴールへと結び付けられないまま時間だけが経過していった。
そして、残すはアディショナルタイムだけ。ここで流通経済大柏は2度のビックチャンスを迎える。70+6分にCKの流れから、FW河西守生がヘディングシュートを放つ。ボールは枠へと飛び、誰もがゴールかと思ったが、ライン上でDF原輝騎が値千金のクリア。 さらにラストプレーでFKを獲得すると、ゴール正面の位置から菊地が迷わず左足を振り抜く。しかし、GKにキャッチされて万事休す。
「(ものすごく良い訳ではなく)悪いなりにも結果を取れたという勝負強さを身に付けたし、それはうちの良さでもあったから。そこをちゃんと見せてくれたことは大きかった」(朝岡監督)という市立船橋が、史上最多となる9度目の栄冠を手にした。
(文・写真 松尾祐希)