徳島市立が徳島商に劇的逆転勝利で11年連続の決勝進出
徳島市立が徳島商に劇的逆転勝利
11月4日、第102回全国高校サッカー選手権徳島予選の準決勝が行われ、2年連続全国出場を狙う徳島市立は徳島商を2-1で下して11年連続となる決勝進出を決めた。
夏のインターハイ予選で県大会を制し、U-18高円宮杯プリンスリーグ四国でも首位を走る。絶対的な大本命として今予選に挑んでいるが、この準決勝は大苦戦を強いられた。
徳島市立は4-4-2の布陣を敷き、立ち上がりからボール支配率を高めて主導権を握った。しかし、この日は自慢の攻撃陣が噛み合わない。その理由の一つになったのが、徳島商のFW冨士村優(3年)の存在だ。21年度にU-16日本代表候補に選出された経験を持つ点取り屋で、スピードに絶対的な自信を持つ。冨士村の“脚”を生かしたカウンターを警戒し過ぎた故に、最終ラインが高い位置を取れなかった。そのため、全体が間延び。ボールを持ってもサポートが遅く、効果的な攻撃を仕掛けられなかったのだ。
徳島市立 vs 徳島商
さらに決定機を決められなかったのも響き、前半はスコアレスで折り返すことに。後半に入ってようやく距離感が修正されると、アタッキングサードでテンポの良いパス回しから好機を作る場面が増加する。54分には主将・MF笠原颯太(3年)の折り返しからMF山口凜太朗(2年)がゴールを狙う。直後の58分にはMF山座拓達(3年)がエリア内で倒されてPKを獲得する。しかし、これを笠原が外してしまい、絶好の得点機をモノにできない。すると、64分に最も恐れていた相手の速攻からピンチを招く。左サイドにボールが出ると、冨士村が反応。一気に抜け出すと、そのままゴールを決めてワンチャンスで先制された。
しかし、選手たちは焦っていなかった。「負けるとは思わなかった」とはCB川村琥太郎(3年)の言葉。選手たちは焦らず、自分たちの攻撃的なスタイルを貫いてゴールに迫る。直後の69分に早速チャンスを作ると、左サイドを突破したMF池田怜以(3年)のラストパスにFW鈴木悠哉(2年)が合わせてネットを揺らした。同点に追い付けば、流れは徳島市立へ。このまま攻め続け、後半アディショナルタイムに山口の右CKから川村が頭で決め、劇的な逆転勝利で決勝進出を決めた。
▽第102回全国高校サッカー選手権徳島予選
第102回全国高校サッカー選手権徳島予選