早稲田実業 vs 広島国際学院(写真=矢島公彦)

 その後も6長谷川の高さ、11野見のシュート力を武器に追加点を狙う広島国際学院だが、都大会5試合無失点をマークした早稲田実の球際に強い守備も弱まらず。前半は1対0広島国際学院のリードで折り返した。

 後半に入ると早稲田実ベンチは思い切った交代策で局面の打開を図る。キックオフ時根に2根本を12森敦彦(2年)に交代させCB陣を落ち着けにかかると、46分には都大会4得点の8竹内を14野川一毅(1年)に交代させ、前線に活力を求める。

 しかし、次の1点は再び広島国際学院の側に。右サイド深くから2藤井が入れたロングスローに反応したのはこれまで再三高さで優っていたMF6長谷川。「藤井のロングスローが最高のボールだった」感謝の意をプレーで表す頭1つ抜け出たヘディングですらせたボールはそのまま逆サイドネットに舞い降り広島国際学院が2-0とした。

 その後、広島国際学院はトップ下に10石川を入れるなど活動量を失わない交代策で、同点を狙う早稲田実の圧力に対応。早稲田実も14野川がトップ下とFWの位置を巧みに行き来し相手を惑わせたが、キャプテンDF4茂田を中心に「4-4-2」ブロックを組む広島国際学院からゴールを奪うまでには至らなかった。

 終わってみれば、広島国際学院が早稲田実を2-0で下し「率直にうれしい」(谷﨑元樹監督)選手権初出場初勝利の快挙を達成。2回戦では浦和・駒場会場の第2試合で静岡学園(静岡)vs明徳義塾(高知)の勝者と対戦する。

(取材=編集部)

(文=松尾祐希)

▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権